カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(110)

※ 運送業者は戸畑物流・久留米運送・福岡食品サービス・福岡運輸の4社で、2021年8月~12月の8月から12月までの5か月間で、各社それぞれ1カ月余の期間トヨタダイナ」のFCトラックを借受けて輸送実証を行っている。(https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/142658.pdf 

 

いろいろと実証事業が出てきたので、一覧表にしてみたが、 

ヤマト運輸燃料電池車で、H2 50kgで600km走り(12km/kg)、 

トナミ運輸は水素エンジン車で、H2 40kgで300kmの航続距離(7.5km/g)で、燃料電池・FCの方が、H2を直接燃やすよりも6割も航続距離が長い。 

 

ここで注意したいことは、燃料電池車と水素エンジン車の違いである。 

 

水素エンジン車はもう少し燃費が良くならなければ、実用的とは言えないかもしないが、7.5km/Lであればそれぼ悪い燃費ではなかろう。その点燃料電池の方には一日の長がありそうだが、水素のコストは燃料電池車・FCの方が高いだろうから、意外と水素エンジントラックの実用化の方が早いかもしれない。 

 

何はともあれこのように、貨物車での水素利用がトライされていることから、これらがもっと各地に広がれば、水素ST.もそれなりに各地に設置されて、H2の利便性は広がって来る筈だ。環境対策も待ったなしの状態なので、政府の強力なリーダーシップによる水素利用拡大を期待したいものだ。 

 

そして、大中トラックの水素利用から商用車のCO2対策が進めば、その(波及)効果は抜群ではないのかな。FCでもH2燃焼でも良いから水素利用がどんどん(日本で)進んでゆくことを期待したいものである。 

 

 

トヨタがついに明かした水素戦略、FCV版「プリウス・GR86」の登場時期を独自予想 

桃田健史 :ジャーナリスト   2023.7.20 11:00 

水素輸送タンクと、自車から外部給電するトヨタ「MIRAI」 Photo by Kenji Momota 

 

トヨタ自動車は2023年6月、水素などの次世代技術を一挙に公開した。その中核はBEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)だ。FCVについては欧州、中国での商用車が当面主流だとしているが、日本での乗用FCVの普及期はいつ頃なのか?(ジャーナリスト 桃田健史) 

 

明らかになったBEVとFCVの量産技術 

膨大な新技術を披露した真意とは 

 

 トヨタ自動車の新型車といえば、直近では5代目「プリウス」や16代目「クラウン」など、製品イメージを刷新したスポーティでスタイリッシュなボディデザインが注目されている。 

 

 一方、「究極のエコカー」と形容されたこともあったFCV(燃料電池車)については、日本メーカー製は現状、トヨタ「MIRAI」のみだ(商用車向けでの各種発表は他にもある)。今後の燃料電池乗用車の量産については2023年秋に「クラウンセダンFCV」が登場することが明らかになっているだけで、乗用車の主流はBEV(電気自動車)にシフトするという見方が市場では強い。 

 

 そうした中、トヨタは、同社東富士研究所(静岡県裾野市)で6月8日に実施した、「トヨタテクニカルワークショップ2023」で、FCVやBEVを含めた次世代技術を一挙に公開した。 

 

 次いで、7月上旬にはBEV、また同中旬には水素に関して同テクニカルワークショップに関連したメディアとのラウンドミーティングをオンラインで実施した。 

 

 次ページ以降では、トヨタの水素戦略の実像に迫るとともに、燃料電池車「プリウスFCV」や「GR86 FCV」登場時期について筆者の考えを明らかにする。 

 

(続く)