カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(133)

テスラは自社がBEVしか作っていないことを良いことに、より厳しいCO2削減を提案している、と言うことである。もしそうなれば、UAWも黙ってはいないであろうし、全米の大手自動車メーカーは軒並み苦境に落ちいることになってしまうのであろう。まあテスラの横暴と言うことか。 

 

 

米テスラ、より厳格な排出ガス規制をEPAに要望 

ロイター編集 ビジネス2023年7月10日12:31 午後1ヶ月前更新 


 7月7日、米電気自動車(EV)大手テスラは発表した意見書で、バイデン政権に対し、米環境保護局(EPA)が4月に提案した自動車排出ガス規制よりも厳格な規制の最終決定を要望し、ほかの自動車メーカーと意見を異にした。写真は同社のロゴ。スイスのベルンで2020年10月撮影(2023年 ロイター/Arnd Wiegmann) 

 

[ワシントン 7日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラは7日発表した意見書で、バイデン政権に対し、米環境保護局(EPA)が4月に提案した自動車排出ガス規制よりも厳格な規制の最終決定を要望し、ほかの自動車メーカーと意見を異にした。 

 

EPAの提案は、2027年から32年にかけて排出ガスを56%削減し、新車に占めるEVの比率30年までに推計60%に、32年までに同67%にする内容。これに対し、テスラは意見書で、32年に新車のEV比率を69%以上とする、より厳格な内容を要求した。 

 

テスラは、EPAは早ければ30年にもガソリン車の廃止を義務付けることができるとし、「EPAの現在の提案よりも厳しい基準を設定することには、健全な法的根拠がある」と付け加えた。 

 

同社はまた、EVに関するEPAのコスト予想は過大で、記録に裏付けられていないと指摘。バッテリーセルとパックのコストの急速な低下や、その他の効率化によって電池式EVの航続距離が大幅に延びている点を十分に考慮していないと指摘した。 

 

一方、テスラを除くほぼすべての大手自動車メーカーが加盟する業界団体、米自動車イノベーション協会(AAIは先週、EPAの提案は「合理的でも達成可能でもない」して、30年にEVの割合が40─50%となるよう要件の緩和を求めた。 

 

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https://jp.reuters.com/article/tesla-emissions-idJPKBN2YQ04Z

 

 

AAIとは、ALLIANCE FOR AUTOMOTIVE INNOVATION 米自動車イノベーション協会というものらしいが、ここには「テスラ」は加盟していないというのであるが、ここがEPAの提案は「合理的でも達成可能でもない」と、テスラを除く全自動車メーカーは総すかん状態である。 

 

この規制値がどれほど厳しいものかは小生にはぴんと来ないが、2030年で新車の60%がBEVとなるような数字だというので、バイデンの言う2030年までにBEVを50%にするという数字よりも厳しくなっているが、EUではもともと2035年にはICEの新車販売を全面的に禁止するとしていたので、それに比べればまだましな数字ではないのかな。尤も、EUでは2035年でも合成燃料を使うICEは認められることになった(2035.3.25に)ので、2030年に60%2032年には67%がBEVの新車販売でなければならないと言うことは、それなりに厳しいものであろう。 

 

日本でも2035年にはICEが禁止されて、すべて電動車でなければならないことになっている。この電動車には、EUとは異なり、HEV(ハイブリッド車)が含まれているので、一安心であろう。 

(続く)