世の中、何だこれ!(巨人ゴタゴタ、12)

ナベツネの恫喝に関する記事をもう一つと、加藤コミッショナーの声明文を見てください。

30一千万人以上の被災者より一人の顔色を選んだNPBセ・リーグコミッショナーセ・リーグ、3/25開幕強行 

言わせてもらいます・球界に苦言提言 / 2011-03-18 07:13:34
(http://blog.goo.ne.jp/ruppert_jones/c/2ed6f5a5e796f84dbaa6a6495caa9000)

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19d3d07c15f03e2b89b4799eaed91de1開幕延期

■ パ・リーグ「4・12開幕」を発表 セは3・25(スポニチ・2011年3月17日)
(http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/03/17/kiji/K20110317000444930.html)

 結局強行ですか。

 巨人渡邊会長に恫喝された以上、他に選択肢はないのかも知れませんが、セ6球団の

選手には同情を禁じ得ません。

 開幕時期に関する私の意見は以前のエントリで書きましたが、その時は12球団揃っての

開幕延期を予測していました。
http://blog.goo.ne.jp/ruppert_jones/e/fd24f4ded3c82ad5c0a55dd42cad08c8

 ただ、その前提は、セ・リーグNPBが良識を持っているという非常にナイーブな仮定

だったのです。自分自身の理解力のなさには恥じ入るほかありません。

 この件で、加藤コミッショナーは声明を発表しています。

■ 加藤コミッショナー声明全文(ニッカン・2011年3月17日)→下記参照。

 確かに名文です。非常に良くできている。ですが心に響かない。それどころか、よくよく読

んでみると、これは開幕ありきのレトリックに過ぎないのではないか、という感想が増してき

ます。

 まず、この声明はプロ野球が予定通り試合を行うことの意義を述べていますが、そのコス

トについては、「被災地の状況、電力供給問題などが未確定」という言及しかありません。

 プロ野球による電力消費については、毎日新聞の記事(2011年3月17日)で述べられて

います。

 この記事によれば、すでにハマスタには数十件の苦情の電話やメールが届いているとの

ことです。

 にもかかわらず、このような状況で開幕したとして、はたして一般市民の理解が得られる

と考えられる根拠はどこにあるのでしょうか?それとも、理解されなくてもいいのでしょうか?

 また、この声明にはパ・リーグがなぜ開幕を延期するのかについて、説明らしきものが

まったくない。

 早い話が、プロ野球コミッショナーとしての声明でありながら、実質的にはセ・リーグ

声明
でしかないのです。パ6球団、中でもイーグルスの存在は、声明から欠落しています。

 加えて、開幕することと試合を行うことは別です。予定通り開幕するということは、シーズ

ン自体も予定通り行うことを意味します。

 ですが、はたしてそれは可能なのか? 被害の全容も分からない、原発の問題がまだ解

決を見ていない、この状況で?

 球場の振替やナイターのデーゲームへの変更などを行えば可能という意見はあります。

理論的には正しい。ですが、はたしてそのような決定を下す能力がNPBにあると、どうすれ

ば思えるのか?

 そもそも、電力消費の大きい、かつ状況によっては多くの帰宅困難者を夜間に生むとい

ナイターでの開幕試合開催を強行する集団に、収益面で痛みを伴う判断ができると

は、私にはとても思えません。

 何より、少なくとも結果として巨人渡邊会長に恫喝された形で、一度はためらった予定通

りの開幕を決定したことは、セ・リーグプロ野球イメージにあらためて痛烈なダメー

を与えたのではと思われます。

 つまり、どれだけ美辞麗句を並べたてようと、「結局はナベツネ言う通りに動いてる

だけ
」と世間から見られるだけの根拠を提供してしまったのです。

 その打撃がどのような形で表れるのか。読売グループは打撃を消すべく世論操作に走る

でしょう。2004年のプロ野球選手会ストの時を思い出せば、容易に察しがつくことです。

 ですが、自らも痛みを負い、あるいは節電等で痛みを共有しようとしている日本の多くの

一般市民が、はたしてメディアの弄するレトリック
(巧みな言い回し)をあっさり受け入れる

のか、甚だ疑問です。

 いや、そもそもNPBセ・リーグも、あるいはコミッショナーも、そもそも社会のことなど見

えていない
のでしょう。自分たちの事情しか考えられない彼らに、そもそも期待する方が

愚かなのかも知れません。

 彼らに今の日本の状況が見えていないことは、今月15日に出された「東北地方太平洋

地震災害への対応」にいみじくも現れています。
→下記参照。

 それによると、この未曽有の災害への対応として、彼らは「長時間をかけて、深く、真剣

に議論した」ことを第一に挙げています。

 この程度のこと、いつでもできる、むしろ常に行うべきことをわざわざ「対応」と称する、

これがNPBなのです!私はこれを見た時、吹き出してしまいました

 ですが、一人のプロ野球ファンとして、これは恥ずべきことでしかありません。

 私は生まれて初めて、プロ野球ファンであることを心から恥ずかしいと思いました。そし

てその思いが消えることは、当面期待できそうにありません。

http://blog.goo.ne.jp/ruppert_jones/e/e55c8cdae39f451fc9e11cb6ea753f78

 
 
まあ、これでプロ野球が「たかが野球」であることがわかるのである。

このところ「サッカー」に相当距離を開けられている事情がわかると言うものである。

ほんと!念のためにこのNPBの対応を見てみると、まるで小学生の作文だ。内容がまる

で無い。

   
 
2011年3月15日
東北地方太平洋沖地震災害への対応

 このたびの東北地方太平洋沖地震による災害で被災された皆様に心からのお見舞いを

申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。


 今回の災害への対応を、本日(3月15日)開催の実行委員会において、下記の通り審議

いたしましたのでお知らせします。


1. 本日、長時間をかけて、深く、真剣に議論した。

2. 野球を前に進めるという点については、関係者の基本姿勢は一致した。

3. 具体的日取りについては継続協議となった。

4. 1億円の義援金を贈る。

5. 11球団は楽天球団の練習場・球場確保に協力する。

以上

http://www.npb.or.jp/CGI/System/news_view.cgi?id=01749



こんなとろくさい事が、東日本大震災への対応になるのかねえ。「私はこれを見た時、吹き

出してしまいました。」と述べていることに対して、素直に同調できると言うものである。
(続く)