東京よりも「まだ高い」中国の住宅 

 

ゼロコロナ政策の解除で景気のV字回復が期待された中国経済だったが、2023年4月以降、低迷が続いている 

 

その元凶が不動産市場の不調にあることは言うまでもない。中国の民間不動産調査企業「中国指数研究院」によれば、年末年始3日間の主要40都市の住宅販売(1日平均、床面積ベース)は前年に比べて26%減少。不動産大手100社の昨年の新築住宅販売額は前年に比べて16.5%も減少した(1月1日付ブルームバーグ)。 

 

政府の支援策にもかかわらず、住宅販売の落ち込みにまったく歯止めがかからない形だ。 

 

ゴールドマン・サックス・グループらは「中国の住宅建設の落ち込みは今年も続く」と予測している。これが正しければ、中国の不動産建設は3年連続で縮小することになる。 

 

中国の住宅はそれでもまだ割高のようだ。最近の東京の住宅価格はバブル期に近い水準に戻っているが、中国メディアは「中国国内の住宅価格に比べると『白菜価格(非常に安い価格のことを意味する)」のように見える」と報じている(12月23日付RECORDCHINA)。 

 

売れないのに高価格を維持しているのは典型的なバブルで、それはいつ値崩れしてもおかしくない状態ということだ。中国の住宅価格は今後、長期にわたって下落することは間違いないだろう。 

 

中国の住宅価格は、まだ「東京より安い」という…Photo/gettyimages 

 

人民銀行の「資金投入」も効果なし… 

 

中国で住宅価格を値下げをしても取引が停滞している現状は、1990年前半にバブルが崩壊した日本の住宅市場とまったく同じだ 

 

住宅バブルの崩壊は家計消費に深刻な打撃を与える。住宅価格が5%下落すると、家計消費は少なくとも4300億元(約8.6兆円)減少するとの試算がある(12月26日付ブルームバーグ)。 

 

11月の消費者物価指数(CPI)が過去年で最大のマイナスを記録したことを受け、中国人民銀行は12月28日、経済を下支えし、物価の上昇を促すため、マクロ経済政策の調整を強化すると発表した。 

 

人民銀行は低コストの資金を市場に投入しているが、民間の資金需要は鈍く、効果は乏しいと言わざるを得ない。中国は一層の「デフレ化」の懸念に苛まれている。 

 

いつ崩れるとも知れない中国の経済状況から目を離せない。 

 

 

後編『中国の不当廉売にドイツ紙が猛激怒…!習近平が世界に輸出する「デフレ麻薬」のヤバすぎる正体https://gendai.media/articles/-/122494)では、その被害が世界にどのように波及するのかを考えていこう。 

 

https://gendai.media/articles/-/122493 

 

 

 

中国は一層の「デフレ化」の懸念に苛まれている。」と記述されているほど、その経済状況はひどいということのようだ。 

(続く)